今年も薬価改定があるようですね。

 今回は「薬価乖離率5%以上の品目」が対象となるようですので、それほど関係のない方もおられるかもしれません。

 老害らしく昔ばなしをすると、薬価改定前の3月は安売り先に「4月以降は価格を出せない。3月中にまとめて買ってください」と言って回っていました。価格交渉ができないはずなのに、まとめ買いした方が4月以降に購入するよりお得だと先生の前で計算してお願いしていましたね。これは10年ほど前だったでしょうか。最近は卸さんの方でもそんな売り方は認められないのか、そんなことは一切していませんが。

 これが20年前になるともっと下品でした。先生の前で電卓を見せながら堂々と価格交渉していました。卸さんとも1円単位で話をして納入価と卸さんへのバック額を決めていましたね。会社には「うまいこと言って卸への利益を4%に抑えました!」などと報告していたのを思い出します。なんか「ここまではMSさん単独で決定できる」とか「この価格が卸さんが単独で出せる最低価格」みたいなのがあって、その額を念頭に置きながら交渉していた覚えがあります。MRでもなんでもない、完全な商人ですね。

 それから考えると薬価改定前の仕事なんてほぼなくなりましたね。あえて言えば「在庫整理をしていて転売できない製品が出てきたから」と卸さんを通じて返品依頼があることくらいでしょうか。今は新薬価対応とかなんとかで、月末に信じられない売り上げ明細をたたき出すこともありませんしね。

 ただ、あまりMRレベルで実感することはありませんが、会社としては5%、10%、下手をするとそれ以上の売上が吹き飛んでいるわけです。これがいずれMRの収入や身分保証にも影響を及ぼすのです。

 そう考えるとやっぱり薬価改定はやめてほしいですね。まあこの国の現状ではしかたないのかもしれません。4月以降の首切りはやめてね、弊社!

 2026年12月31日まであと2,137日。本当にリストラはご勘弁です。